第3回コミュニティカレッジ2014

コミュニティカレッジ2014も8月22日(金)をもちまして無事終了しました。

今年のテーマは・・・

「開かれたコミュニティへ」。

第1回を那珂川町小砂地区、第2回を宇都宮市清原地区でおこない、最終回となる第3回は、とちぎボランティアNPOセンターぽ・ぽ・らにて「とちぎのコミュニティ見本市!」として事例発表会+意見交換会・ポスターセッションをおこないました。

事例発表は、まち歩きをした2地区と他2地区の合わせて4地区です。

・那珂川町小砂地区コミュニティ推進協議会

・宇都宮市清原地域振興協議会

・栃木第六地区コミュニティ推進協議会

・壬生町睦地区コミュニティ推進協議会 

小砂地区コミュニティ推進協議会、手塚さん。

新しい取組みから地区の課題、今後の展望について発表していただきました。

小砂の最大の課題は少子高齢化。自治会加入率の低下しており組織の存続も難しくなってくる。そんな状況の中、160年余りの伝統がある小砂焼・クヌギの炭を裁断した菊炭・里山の雑木林や杉林を活用して始めた環境芸術祭の取組みなどが評価され「日本で最も美しい村連合」に全国で50番目に加盟・承認されました。しかし地域の人たちは、本当に魅力ある地域なのか、活性化が図れるのか半信半疑だったそうです。そんな時に、コミュニティカレッジを小砂で開催することになり、他の地域の方たちから、小砂は地域資源も人材も豊富な地域であり、地域活性化の切り口がたくさんあることを教えられたそうです。長い間、コミュニティ推進協議会が担ってきた重要な役割を再認識し、今まで以上に地域の方たちを結びつけていきたいとのことでした。コミュニティカレッジを通して、たくさんの方々と交流を持ち、大きな刺激を受けたとおっしゃっておりました。

清原地区市民センター、副センター長の須藤さん。

地区の概要を説明していただきました。

内陸型工業団地として国内最大級の清原工業団地。主要な企業は、キャノンやカルビーなどがあります。キャノンは、約4400人の方が勤めており、レンズのマザー工場として全国全世界に出荷しています。工業団地内にある清原さくら公園で今年初めて桜祭りを開催。また、道場宿緑地では、うつのみや花火大会や熱気球の大会など清原地区内で開催される主なイベントが行われています。

清原地域振興協議会の井上事務局長。

清原地域振興協議会の概要説明をしていただきました。

30年前に清原地区で’84とちぎ博が開催されました。平坦なこの地域に新たに工場やテクノポリスが立地するということで、とちぎ博に併せて、自治会連合会、地域の各種団体等を集めて協議会を設立。設立30周年を迎え「清原地域ビジョン」を策定。10年後の清原がどうあるべきか、どうしていけばいいのかという取組みを進めています。東日本大震災で大打撃を受けた清原地区は、「清原地区防災マニュアル」を策定しました。組織構成としては、三役(会長・副会長・事務局長)と4つの特別委員会があり、この役員は地域内の各種団体等で構成されており、「オールきよはら」体制で組織化しています。

きよはら地域内公共交通「さきがけ号」運営委員会白瀬事務局長。

地域内公共交通について発表していただきました。

地域住民の意向アンケートを実施し、地区内で必要性が高かった地域を決定しました。平成20年8月1日から本格運行開始。停留所は現在56ヶ所。停留所以外での自由乗降も実施しています。意向アンケートを活かしながら、ルートの見直し等しています。乗車1回150円で定期券が1ヶ月2000円。

板戸のぞみ号運営協議会、山中会長。

デマンドタクシーについての発表をしていただきました。

導入の背景には、高齢者が多いこと、公共交通がないこと、女性高齢者のバイク利用者が多く交通事故を心配することの3点が挙げられます。

運行形態は乗合タクシー(デマンド方式)でセダン型5人乗り。運行は、月曜日から土曜日で祝祭日は運休している。1日9便で運賃は大人が300円、小学生150円、未就学児は無料。登録者数は、現在470名。成果として高齢者の行動範囲が広くなり、エリア内のイベントにも参加できるようになったということ、また、家族の負担が減り、安心して外出出来るようになったということです。今後の課題は、運行経費が目標に達していないことと、今後高齢者の運転免許証保有者が多くなり利用者が減ることです。

栃木第六地区コミュニティ推進協議会青少年部会・重原さん。

この地域に事例発表をお願いした理由は、協議会の方たちで年間42講座を開催していることからでした。

ポイ捨てされることが多かった永野川を地域でなんとかしようと、近くの第五小学校の子どもたちと一緒に鈴虫を放す活動を始めました。元々鈴虫の泣き声が聞こえていた川であったが、鳴かなくなってしまった永野川。命の大切さを体感しようと鈴虫を放す活動を始めましたが、みんなで草刈りを始めたり、コスモスを植えたりするようになりました。鈴虫を通して地域が変わり、いろいろなことが生まれてきました。第六地区は、自然もヒトも資源です。42講座で生まれた人材も、地域資源の1つであり、身近に沢山の資源があることが六地区のメリットでありますとおっしゃっておりました。

壬生町睦地区コミュニティ推進協議会の中島会長。

三橋先生からコミュニティ協会の老舗のコミュニティとのお言葉をいただきました。

昭和53年に発足。もうすぐ40周年を迎えます。夏祭り、体育祭、遊学塾まつり、花いっぱい運動、健康福祉のつどいなど継続して事業を続けています。三大事業の「スポーツレクレーション」、「夏祭り」、「文化祭」については、実行委員会形式で行っています。コミュニティの役割のひとつとして、地域住民のふれあいの場の提供だとおっしゃっておりました。地域内の他団体との連携も始めていらっしゃいます。これからもコミュニティのモデル地区として事業の継続を続けていって欲しいです。

今回のコミュニティカレッジでは、cafeコーナーを設けてみました。第2部でのポスターセッションの際に、お茶を飲みながら各々意見交換をしていただきました。cafeコーナー、大盛況!

細かいところまで気を遣い、準備をしてくださったとちぎ協働デザインリーグのスタッフのみなさん、

ありがとうございました!

 

(株)野州たかむら(茂木町)「どうぶつべっこう飴」

社会福祉法人飛山の里福祉会(宇都宮市)「クッキー」

ひざつき製菓 武平作(栃木市)「おせんべい」

エス・ナカヤマ(S.nakayama)(宇都宮市)「シュークリーム」等・・・


第2部は、ポスターセッションをおこないました。

出展団体にA1サイズのポスター(活動報告やコミュニティの紹介をまとめたもの)を作ってきてもらい、パネル展示をして、参加者の方々同士で意見交換・情報収集をしてもらうものです。


◇出展団体◇

那珂川町小砂地区コミュニティ推進協議会

宇都宮市清原地域振興協議会

栃木第六地区コミュニティ推進協議会

壬生町睦地区コミュニティ推進協議会

矢板市片岡地区コミュニティ推進協議会

塩谷町船生地区コミュニティ推進協議会

那須塩原市関谷下田野地区コミュニティづくり推進協議会

小山市住みよい間々田推進協議会

真岡市教育委員会生涯学習課

NPO法人仕事と子育て両立支援センター

NPO法人栃木こども劇場

地域の規模に違いがありますが、他の団体がどのような活動・取組みをしているのか、みなさん一番興味があるようです。同じような悩みや課題を抱えているからこそ、たくさんの意見交換が出来たのではないでしょうか。他からの目で見てもらい新たな気づきが出てきたと思います。また、今回ポスターを作ったことによって、自分たちの取組みについて改めて見直しも出来たのではないかと思います。今後の活動に参考にしていただければ嬉しいです。

最後に、三橋先生からのまとめです。

「開かれたという意味は、コミュニティの外だけはでなく、それを取り巻く外側のところと抱え込んでいる内側のものの両方をつないでいく開かれ方という意味があるのではないでしょうか。コミュニティの活性化や地域の再生など同じ方向を向いて活動している人たちが一堂に会して、それぞれの地域で活動されてきたことを振り返り、意見を出し合い意見交換するということは、非常に大切であります。他の人たちからどう見られているか、他はどんな活動をしているのか、活動を振り返ることによってこれからどうやっていけばいいのかを考えるいい機会になると思います。これからも意見交換・情報交換をする場があってもいいのではないかと思います。そして新しくエネルギーを得て地域に帰っていただければと思います。」


コミュニティカレッジ2014は、これで終了です。

いつも思いますが、最終日は何とも言えない寂しい気持ちになります。

みなさんがカレッジで得たものを、地域に戻って地域の方々に話していただきこれからのコミュニティ活動に活かしていただけたらと思います。

参加していただいた受講生のみなさん、本当にありがとうございました。

また来年、みなさんの笑顔にお会いできるのを楽しみにしてます!